学校や自習室、図書館などの外の空間ではしっかりと集中して捗るのに、自宅に帰って勉強しようとしてもなかなか集中できない…そんな経験をした人は意外と多いのではないでしょうか?
集中とは『外部からの情報を断ち、ある特定の物事に対して没頭している状態』のことを指します。集中する事で得られるメリットとして、最高のパフォーマンスを発揮する事ができ、成果に現れるスピードが飛躍的に高まります。つまり集中力は学生でも社会人でも、実は生きていく上でどなたでも必須のスキルなのです。
ただよくある事なのが外の環境では集中できるのに、自宅に帰るとついつい違うことをしてしまうという事です。そこで今回はどのように集中する環境を作っていけば良いかを考えていきます。
1.集中できない理由
そもそもなぜ集中が続かなくなってしまうのでしょうか?
世の中には集中を妨げてしまう要因が数多くあり、特に自宅ではそれらが密集しています。当時私が学生の頃、テスト前日だとしても自分の部屋でなかなか集中して勉強できませんでした…
しかし原因がわかって徹底的に排除する事で環境を改善させる事ができたのです。では、どのようなものが要因となるのか代表例をあげてみましょう。
①誘惑が多い
これは代表例中の代表であり、1番多くの人を悩ましてる問題かと思います。
携帯、ゲーム、漫画などの娯楽を近くに置いてしまうとついつい気になってしまい、今やってることを中断してしまったり、夢中になって休憩時間が長くなってまった。そんな経験はありませんか?
人間は視覚から多くの情報を得ており、得た情報から判断を繰り返しています。ケンブリッジ大学の研究によると、人間は1日に最大3万5000回の決断を下しているそうです。そしてまた、人間は楽な方向へ流されてしまう性質もある事が研究から分かっています。
つまり「勉強へのモチベーション」よりも「娯楽への誘惑」の方が強ければ無意識に流されてしまっていることになります。
②部屋が散らかりすぎ
次によくあるような原因が散らかりすぎです。一見勉強と何らかかわりの無さそうな要素ではありますが、実は心理面で大きく関わっています。
ボンド大学において作業環境がパフォーマンスに及ぼす影響について研究が行われています。この研究によると散らかっている環境下で、人間は無意識に「ストレス」や「イライラ」などのネガティブ感情を感じています。
また散らかっているため勉強スペースが狭かったり、物が勝手に崩れたりして集中が途切れてしまう事があります。例えば本やプリント類などが山積みに保存されていたら心に余裕がなく、逆に圧迫感が感じられて負荷がかかってしまいます。
③睡眠不足
そして意外に盲点なのが睡眠です。人間の活動に最も重要なものが脳である事は言うまでもないですが、時々脳を休ませてあげないといけません。脳の休息のタイミングとなり得るのが睡眠ですが、睡眠不足に陥る事で脳のコンディションは万全な状態ではありません。そのため身体の様々な箇所に影響してしまい、集中力や注意力の低下、身体の気持ち悪さなどを招いてしまいます。
時々、テスト前になると徹夜をして寝ないままテストを受けてしまう人がいます。しかし、これはやはり脳のコンディションは最悪なので、残念ながらテストの点数を下げてしまう要因になります…
徹夜をしてテストの点数が格段に上がったという事例は聞いた事がなく、逆にいつもの点数と比べて全体的に下がったという報告がほとんどです。徹夜をしてしまうと効率もとても悪く、逆効果となってしまうので絶対にやめましょう!
2.集中力を高めるために
第1章でどのようなものが原因となり得るのかを紹介しました。原因を追及した次は、それに対してどのような対策をとるべきなのかを考えて、改善していく必要があります。どんどん改善して、最高の集中環境を維持できる空間を作りましょう!
①邪魔者の排除
まずは机の上を必要なものだけにする事を意識してみてください。
前章で誘惑になり得る例を挙げましたが、特に携帯は絶対にNGです!『ファントムバイブレーション』と言って、着信が気になったり何もなくても錯覚を起こして携帯やスマートフォンを手に取ってしまう現象です。これにより集中が途切れてしまうので、誘惑はちゃんと別の空間に移すようにしましょう。
また、他教科の物も机の上に置かず、学習内容に関係のあるものだけにしてみるのも一つの手です。例えば数学を勉強する時に英語の参考書が置いてあると英語の方に意識が行ってしまい、「あの英単語の意味って何だっけなぁ~」や「〇日までに英語の宿題をやらないとなぁ~」などの様に意識が散見してしまう可能性があると思います。
人間は他のことに気を取られてしまうと、本来やっていた物事が疎かになってしまう性質があります。そのため少しでも気が散る要素を排除しておけば集中力も増してくるのです。まずはここから挑戦してみると良いと思います!
②生活習慣の調整
身体は最大の資本と言われるほどとても大切!しかし食事や睡眠といった、身体の健康維持の基本を削り取ってしまう人は意外と多いです…そんなあなたの身体は悲鳴をあげてます!!
食事の面について考えると、欠食による空腹により「イライラ」や「頭がぼんやり」、「気が散る」などの気持ちに陥ります。これは脳へのエネルギー不足が原因であり、集中どころか勉強しても身につき方が非常に悪くなってしまいます。規則正しく食事をして、脳にエネルギーを補充してあげよう!
そして睡眠に関しても、満足に取れていなければコンディションは悪い状態となってしまします。こちらもすぐに身体の症状に現れてくるので、もし症状に現れた時は危険信号が点灯しているという事になります。きちんと毎日決まった時間に寝て、決まった時間に起きることで簡単に対策することができます。規則正しい睡眠をとることは、体調の維持に大きく貢献!
3.勉強しない
そして最後に、対策したとしてもやっぱり家では集中できない場合があります。教室や自習室では他の人が頑張って勉強しているため、その相乗効果で何十倍、何百倍も頑張ることができるのです。
しかし家だとその相乗効果を使うことができないため、あえて家では勉強しないという選択肢があります。と言っても、何もしないのは単に時間の浪費につながるため、『作業系』や『軽く暗記する』程度のものにしておきましょう。
作業系は単純作業の宿題であったり、まとめノートを作ったり、毎日日記を書いても良いかもしれません。そして英単語や漢字、一問一答などの暗記物も軽く済ませることができます。あまり集中する必要がないものをやって、気楽に終わらせよう!
4.最後に
今回は、どのようにしたら自宅で集中できるような環境を築けるのかを紹介してきました。現代社会は昔と比べて急速に変貌し、誘惑するものや生活習慣の崩れなどの集中を妨げる要因が数多く存在します。
勉強だけでなく仕事に関しても、集中して取り組むことで一気に終わらせることができたり、内容の濃いものになったりもします。そして時間が有限である中で早く終わらせたら、その分有意義な時間を過ごすことができます。
完全に集中の妨げとなる物事を排除することは困難ですが、理解したうえで集中できる環境を作っていくことが大切です。ぜひ試してみてください!